みなさん、こんにちは!
Outdoor-Hokkaidoへようこそ!
山のお兄さんです。
羅臼町の建物内にクマが侵入して加工中の魚を物色していたというニュースを見かけましたので記事にしようと思います。
最後まで記事を読んでいただく次の事がわかります。
- 北海道内の熊被害の状況がわかる
- どうして熊が住宅に侵入するのか
- これからの対策について考察

そうえいば羅臼町でクマが住宅内に侵入したみたいだね~

え、そうなの?
こわ!

北海道でも、住宅内にクマが侵入する事件でめずらしいよね

熊も危険を顧みずどうして侵入するんだろ~

そりゃ、食べ物のためさ。
秋に十分な量の食糧を食べれなかったんだべさ

熊って何たべているの?木の実とかだったら結構なっていそうなんだけどね

ある理由があって熊は食料をゲットできなかったんだと思うよ

そうなんだ~
自然に生きるというのも大変なんだね

今回は少し詳しく調べてみることにしたよ
というわけで、今回の件についてはクマの生態から環境の変化、そしてこれから私たちがどうやって生きていかなければいけないのか考えさせられる事案と言えます。
それでは本編どうぞ!
【羅臼町】 クマ住宅侵入事件に関する情報と考察【環境問題】
今回の記事はクマの生態と習性について調べた後、クマによる獣害の歴史、クマが街に降りてきた理由、これからの対処について記載していこうと思います。
別の記事でヒグマについて執筆していますので参考になればと思います。
クマが住宅に侵入した!?
11/30 早朝北海道羅臼町の住宅にクマが侵入しました。
住宅は1階に魚を加工する作業場となっており、開口部が設けられていました。
住居部分は2階といった作りです。
クマが侵入した音に気付いた住人が見に行くと熊は驚き窓を突き破って逃げていったとのことです。
10月にも羅臼町の住宅周辺に出没しており11月に入り住宅地に侵入する事件が11件発生しているそうです。
なお、今回住宅に侵入したと思われるクマは駆除されており、体長2メートル、体重400㎏あったそうです。
クマの生態と習性について

日本国内には大きくわて、北海道に生息する「ヒグマ」と道外で生息する「ツキノワグマ」に分けられます。ここからは北海道に住むヒグマについて説明します。
ヒグマの生態

ヒグマは国内でもっとも大きい陸上生物とされています。
オスは体長2メートル、体重400キロにもなるそうです。
こんな大きな生物がすぐ近くに住んでいると思うと、北海道すごいな~と思います。
しかも、オスは一日の移動距離は100㎞くらい歩くそうです。メス熊を探したり餌を探したりするためのようですが、すさまじい行動力です。しかも時速50㎞くらいで走れます。
食べ物

ヒグマは雑食で春から秋にかけてもっとも手に入りやすいものを食べるようです。
春から夏にかけては植物を多く食べて、秋は冬眠を控えているのでより栄養価の高いサケなどの動物性たんぱく質を食べて太ることで冬眠の準備をします。
時には弱っている鹿も食べます。
冬眠中は一切食べないようです。
冬眠中は最強のファスティングを行うのです。
ということは、秋に十分な餌を食べれなかったら冬眠できないのです。
寒いところに住む熊は大きい?
熊は世界的に見ても緯度が高い地域に生息する熊ほど体が大きくなるとされています。
よって緯度の低い地域に住むツキノワグマよりも高緯度の北海道に生息するヒグマの方が大きいと言えます。さらに緯度を上げると北極には「白ぐま」が生息しています。
白ぐまは熊の中ではもっとも大きい種別とされていますので、「高緯度ほど巨体になる」という説は正しいと言えます。
これには法則があり「ベルクマン・アレンの法則」と名付けられています。
緯度が高いほど、寒い環境になります。
- 寒い環境で生きていくには、体の大きさに対する耳や手足などの体表面積を小さくすることで冷たい風が当たる範囲をなるべく小さくすることができます。
- 体が大きくすることでより大きな熱を生み出すことができます。
この2点から寒冷(高緯度)地域ほど体が大きくなるとされています。
ヒグマの習性
ヒグマは異常なまでに執着心があります。そして臆病な性格でもあるといわれています。
食に関してはストーカーです。
一度自分のものと判断したら、それを取ろうとするやつは誰であろうと容赦しません。
たとえ普段は人間の前に現れなくても、食の事になると人間界に出てくるほどです。
まとめ

ヒグマは1年の中で冬眠前である秋にいかに食べ物にありつけるかで長い冬眠生活が左右されるのでもっとも重要な季節だと言えます。
北海道内におけるヒグマによる人身事故

例年、ヒグマによる被害が報告されていますが、時期や程度について紹介します。
令和3年度12月現在における北海道庁のデータを参考にさせていただきます。
事故事案の対処として熊スプレーの携行の必要性について北海道庁のHPにも記載がありました。
事案の中には熊撃退スプレーを携行して使用することで結果が変わっていた可能性があります。
北海道でアウトドア活動する方には是非、携行していただきたい装備品となっています。
最近では官公庁でも多く導入されている熊撃退スプレーのご案内をさせていただきます。
月 | 場所 | 被害 | クマ | 状態 | 対策 | |
① | 4月 | 厚岸町 | 60歳男性(死亡) | 親子熊 | 死んでいる子熊に近づいた | 熊スプレー |
② | 4月 | 富良野市 | 48歳男性 | 親子熊 | 発砲し致命傷負わせず返り討ちにあう | 狩猟の際役割分担 |
③ | 6月 | 厚岸町 | 67歳男性 | 不明 | 間伐のため入林。カラースプレーを吹き付けていた | 熊スプレー |
④ | 6月 | 札幌市 | 複数名 | オス | 市内相次いで人間を攻撃(複数名ケガ) | 出没情報共有 |
⑤ | 7月 | 福島町 | 77歳女性(死亡) | オス | 農作業中に攻撃。被害者の上には葉が掛けられていた。周囲に穴が掘られ、糞がみつかる | 注意喚起 |
⑥ | 7月 | 滝上町 | 69歳女性(死亡) | 親子熊 | トレッキング中に攻撃を受ける | ヘルメット、鈴、スプレー携行 |
⑦ | 8月 | 津別町 | 親子 (負傷) | オス | 鹿の罠に引っかかった熊が抜け出し狂暴、付近の人を攻撃 | 罠の見回り |
以上のような人身事故被害がはっせいしています。
さらにヒグマが市街地で発見される事案はさらに多くの件数が報告されています。
上記のデータからわかることがヒグマの行動期間中は平均して事故が発生するということです。
そして、巨体な力で攻撃されると死に至るほどのダメージが与えられるということです。
発生パターンとしてはヒグマの精神状態が追い詰められると攻撃されることが多いようです。
事案④におきましても、札幌の住宅街へ入ったヒグマが人間に見つかり山へ逃げたかったのですが次々と人に出くわしパニック状態の中攻撃したと推測されます。
事案⑥でも熊鈴の装備が認められなかったことから、音を鳴らさず山深い道を無音でトレッキングしていたところばったり遭遇したと推測されます。
もう一点は母親と子熊である割合も高く見受けられます。
基本的に父熊は子育てに関与しないので子を守る母熊の場合が多いです。子供を守るために敏感になっているのだと思います。
ヒグマが住宅地に降りてくる原因について
臆病者のヒグマが人間が住む住宅地へ入ってくるにはそれなりの理由があるはずです。
住宅地へ人間と遊ぶために降りてくるというチャレンジャーなクマはいないはず。
そして冬眠な前のこの秋である時期を考えると目的は食料しか考えられません。
どうして危険を冒して食料を調達しに市街地へ来るのでしょうか?
推測するに以下のことが考えられます。
- 自然からとれる食料の量が減った。
- 一頭が住宅へ忍び込んでから、みんな真似すようになった
(楽に食料を調達する方法を知った)
- じつは昔から人間の家に忍び込んでは食料を見つけてた。
(人間がうるさくなった、情報伝達速度の上昇)
これらについて推測していこうと思います。
昔から人間の家に忍び込んで食料を見つけていた
2020には羅臼町内の犬がクマに襲われるという事案も発生していますし、クマの獣害被害は毎年取り上げられています。
このように視聴率の関係からクマ被害は注目されやす上方であるため、メディアも反応するのかもしれません。
しかし、明らかにクマの個体数は増えています。
こちらの資料を御覧ください。

北海道庁生活環境部で発表されているヒグマの個体数の推移を表に表したものになります。
確実にヒグマの個体数は増えています。
個体数が増えると縄張り争いや食料の取り合いが増え、人里にも出てくる可能背は高くなります。
一頭が住宅へ忍び込んでからみんな真似すようになった

クマの世界で住宅侵入ブームが来ているのではないかということです、
過去に侵入して餌の確保ができたクマを見て俺も行ける!と思ったのではないかという可能性について考えてみようと思います。
もし、我々がクマだったら仲間が人間の住宅に侵入し、食べ物を確保できた姿をみたら挑戦しますか?またはもっと楽に取れる方法を教えてくれる仲間がいたら教わって実行しますか?
これらはある程度、知能が高い動物でないとできないと思いますが、ヒグマの知能指数はいかがなものでしょうか?
ヒグマはこれらのことができ、知能指数は非常に高いと言われています。
- ヒグマは猟師が使う止め足を使う
- 銃で打たれたヒグマは一旦、茂みに隠れタイミングをずらしたあとに猟師に攻撃を仕掛ける
- 銃で撃たれたあと、死んだふりをする
- 餌を取った場所と時期を長年記憶できる
※止め足とは・・冬の雪上では足がつきますが、対象の進行方向を足跡の向きを見てはんだんします。ですが、足跡を逃げる方向と逆につけることによって追跡者を惑わすことができる
ヒグマの知能指数があれば仲間の行動から学ぶ事もできなくはなさそうです。
自然から採れる食料の量が減った

ヒグマの個体数は増えています。
鹿の個体数も増えています。
鮭や鱒といった川を遡上する魚の数は減っているそうです。
秋にヒグマは超えるために、木の実では量が足りず、動物性タンパク質を摂取する事が重要ですが、個体数が増えると、なかなか捕獲できない個体も増えてくるのかもしれません。
また、鹿の個体数も増えているため、木の皮を好んで食べることで、木が枯れてしまいます。
すると木の実など植物性タンパク質を獲得する機会も減ってしまう可能性があります。
まとめ2
ヒグマが人間と恐ろしく思っている対象の家に侵入する原因について3点推測していみました。
やはりヒグマがありつける餌の絶対量が不足していることが原因だと推測できます。その他にもヒグマの修正であったり知能指数の高さもあることが考えられます。
ヒグマが確保できる餌も年々減りつつあるのに対し、ヒグマの個体数が増え続けているという悪循環が発生したために発生している事案だと確信しています。
対策について
人間は今後、クマが人間の生活圏へ出てきてしまうのを防ぐためにはどのような対策を取っていけばいいのか考えます。
- ヒグマ鹿の個体数を減らす
- 鮭の人工孵化の量を増やす
- 山と住宅街の間にある茂みを刈り込む
ヒグマや鹿の個体数を減らす

問題は餌の量に対するヒグマの個体数のバランスが崩れているところにあると思うので、ヒグマの絶対数を減らす(駆除)するか木のみを奪う鹿の数を減らす必要があります。
最近では、ジビエ料理など狩猟が注目されているので、期待したいところです。
鮭の人工孵化の量を増やす

餌になる量を増やすことです。
遡上してくる鮭は年々減りつつあるとされています。その原因はなにかわかりませんが、海流の水温が上昇していることに原因があるのかもしれません。
近年、斜里町ウトロ地区ではブリやマグロといった比較的温暖な海流を好む魚が取れているそうです。
鮭は冷たい海流を好む魚ですので遠くへ行ってしまうのかもしれません。
そこでなるべく帰ってくる鮭の量を増やすには人工孵化をさらに増やして魚体数を増やす方法が考えられます。
山と住宅街の間にある茂みを刈り込む

実際に札幌市では実践されている方法です。
ヒグマは茂みの中を移動することによって、外敵から自分の姿を隠しながら歩きます。
逆に言えば茂みがなければそこはあるきにく場所だと言えます。
よって山から住宅までの茂みを作らず、短く刈り込んでおくことによってクマが通りにくくなりますし、早期発見にも繋がります。
結論
ヒグマを住宅に侵入させない方法として、ヒグマを取り巻く生態系の安定化と環境整備が必要になってきます。
残念なことに、生態系の乱れは地球規模で発生しているので個人的に頑張っても改善されないとは思いますが、人間一人一人が生態系が乱れていることを学習することにより、環境の悪化は避けることができます。
また、近年では地方公共団体や各団体の教育活動によりヒグマの生態や習性について学ぶ機会が増えてきています。
我々人間が、まずはヒグマの事を理解したうえで、お互い悲惨な事故を起こさないような対策を講じるべきです。
結論は以上となります。
北海道に住みヒグマと住む我々がまず、やるべきことは相手の事を知ることから始まります。
来年は今年ほど被害が出ないことを祈りまして、今回の記事を締めさせていただこうと思います。
長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
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